ビジネスプランを作成するために、何人かの同僚と重要なミーティングを行うことになったとしましょう。ビジネスプランはホワイトボードに書き込まれ、完成までには数日かかります。そのため、そのホワイトボードは数日間そのままにしておかなければならず、その間誰かが会議室に入るかも知れません。しかも、マジックで書かない限り、書いたものが消されて書き直されてしまうかも知れないのです。内容を書き換えないようにメモを貼ったとしても、それに気づかないか、単に無視されてしまうかも知れません。
ホワイトボードに書かれた内容を守るための方法のひとつは、大きなガラス板をホワイトボードにかぶせておくことです。誰かが内容を消して書き直そうとしても、それはガラスに書かれるだけで、ガラスの下のホワイトボードには影響を与えません。翌日会議室に戻ったら、ガラスを綺麗に拭けば、元の内容が変わらずに蘇ります。
これが、ミラーシールドの基本的なアイデアです。NeuShield Data Sentinelがインストールされると、保護すべきファイルに保護レイヤーが追加され、それが直接変更されることはありません。アプリケーションがファイルを変更しようとすると、その変更はリダイレクトされてオーバーレイに保存され、オリジナルのファイルは変更されません。もしその後でファイルを元に戻したい場合には、ただオーバーレイ上のデータを消去すれば良いだけです。このオーバーレイ上のデータの消去プロセスは「Reverting Changes(変更の取り消し)」と呼ばれます。
Revertingは、望まない変更を元に戻す際に非常に有用です。たとえば、既存のファイルを間違って上書きしてしまった場合などに、元のファイルに簡単に戻ることができます。同様に、ランサムウェアやその他のマルウェアが勝手にファイルを暗号化したり書き換えてしまった場合などにも、それらの変更を簡単に元に戻すことができます。ランサムウェアがファイルを暗号化した場合、暗号化されたファイルはオーバーレイとして保存され、元のファイルはそのまま残っています。変更を元に戻すためには、単にオーバーレイを削除するだけで済みます。それによって暗号化されたデータは削除され、元の暗号化されていないファイルにアクセスできます。
この仕組みは、パフォーマンスにも良い影響をおよぼします。ファイルを削除するのは、(バックアップが行うように)ファイルをコピーしたり復旧したりするよりも、遙かに高速です。NeuShield Data Sentinelがほとんど瞬時にデータを復旧できるのは、このためです。
しかし、ファイルの復旧が高速なのはそのためだけではありません。オーバーレイにはファイルの変更部分のみが記録されるため、ディスクへのアクセスが発生したとしてもそれはほとんどパフォーマンスには影響しないのです。NeuShield Data Sentinelはコンピュータの処理性能にほとんど影響を与えること無く、ファイルを保護することができるのです。