【ご挨拶】
節分が終わり、いよいよ春の到来を待ちわびる頃となりましたが、皆様お変わりございませんでしょうか。
2021年9月のメルマガで紹介させていただいた「車いすテニスのレジェンド」、国枝慎吾さんが引退されました。年間王者10回、生涯グランドスラム優勝50回、生涯ゴールデンスラム(パラリンピック金メダルと四大大会制覇)、パラリンピック金メダル4個、そして現在も世界ランキング1位を維持したまま約28年間の競技生活を終える決断をされました。凄まじい記録を残す過程には「相手との戦い」、「自分との戦い」、特に「車いすテニスを競技として社会的に認めさせたい」という強い思いが肩にのしかかっていたそうです。「よく『車いすでテニスをやって偉いね』と言われたこともあったんですけど、別に車いすでテニスをやっていることが偉いわけじゃなくて、目が悪ければ眼鏡をかける、僕は足が悪いから車いすでスポーツをする。そこは特別なことではない」と語っていました。車いすテニスを「福祉として社会的に意義がある」ということよりも「スポーツとして見られること」を一身に背負い"魅せるテニス"にこだわってきた国枝さん。今後はより車いすテニスを発展させていくためにATP(Association of Tennis Professional、男子プロテニス協会)やWTA(Women's Tennis Professional、女子テニス協会)の健常者の大会に「車いすテニス部門」を作ることに関わっていきたいという思いがあるそうです。「日頃から一番近くで支えてくれる妻や車いすテニスを始めるきっかけを作ってくれた母、天国の父などにありがとうと伝えたい。最高のテニス人生を送ることができました。」と笑顔で述べられたお姿が清々しく最高に格好良かったと思いました。健常者だから、障害を持っているから、ということではなくてスポーツを楽しむこと、やりたいことを楽しむことは誰にでもできるということを正真正銘、実践し続けて証明してくださったと思います。
残寒のみぎり、くれぐれもお体に気をつけてご活躍ください。
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