【ご挨拶】 紅葉の美しい季節となりましたが、皆様にはますますご清祥の由、何よりと存じます。
先日「機長と少年が歩んだ14年」という記事を読みました。先月、国内線で名古屋上空を飛ぶフライト中、機長のアナウンスが始まり、目的地までの飛行ルートなどの一通りのアナウンスの後、「私事ですが、、、」と断った上で語ったのは14年前に出会った少年とのエピソードでした。「どうしたらパイロットになれますか」という会社宛のお便りに返事を書いたこと、手紙やメールのやりとりが長く続いたこと、それから航空学校へ進学したこと。そしてその彼が夢を叶えて今この便に乗客として搭乗しているということが語られて、アナウンスが終わるころ祝福とエールの拍手が機内に響き渡ったそうです。
少年は小学6年生のとき、将来なりたい職業の会社3社に手紙を書いたそうです。たまたま機長がその手紙に返事を書いたことが二人の交流のきっかけでした。機長は手紙の最後に個人メールアドレスを書いていてそれからメールでのやりとりが始まったそうです。少年は挫けそうなときに機長にメールを送ったり、さまざまな場面でメールを読み返し、パイロットへの道を諦めていたかもしれないという時期があったことも機長は後に知ったそうです。普段のフライトで時折「元気にしてるかな。訓練は順調かな」と思うときがあり、そんな彼から先日「無事に航空学校を卒業し、エアラインに内定が決まりました」という連絡が来たそうです。彼がある便で帰省することを知った機長は、会社にその便の乗務を申し出て、その日のフライトで激励のアナウンスをすることが出来たそうです。機長としては、たくさんのお客様と一緒に彼の門出をお祝いしたいという気持ちが一番で「君が目指す場所、それは今私がいるコックピットです。早くここまでやって来い!待ってますよ!」というメッセージを伝えたかったそうです。無事に目的地に到着した後、二人はがっちりと握手を交わしたそうです。顔を見るのも声を聞くのも初めてなのに、これまでの思いが込み上げて二人とも涙が止まらなかったそうです。
小さなご縁で人生が変わることがあること。諦めずに頑張り続ければ夢は叶うということ。そしていつも誰かが応援し支え続けていてくれること。優しくて温かい気持ちで胸がいっぱいになった記事でした。
向寒の折柄、何卒ご自愛ください。
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