【ご挨拶】
梅雨の晴れ間にのぞく青空がまぶしく、夏の気配を感じるこの頃です。皆様にはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
先週元SONY会長&CEO:出井伸之氏の訃報が報じられました。三十年以上前に一度ミーティングでお会いしたことを思い出しました。当時出井さんはSONY取締役・ホームビデオ事業本部長でした。私はIBMでSONYを担当しており、メカ設計改革の一環として試作段階のリードタイム短縮を目的にCATIA(3次元CAD)を提案。それまで1年間ほどかかっていた試作期間を6ヶ月に短縮するという自信を持った提案でした。プレゼン後、出井さんが鋭い眼差しでクールに一言「6ヶ月間? 何故3ヶ月で出来ないのか?」。出直し提案となりました。背筋が伸びスマートな出立ち、オールバック風に整えた髪型がとても印象的でした。創業世代に代わり、SONY初めての新卒サラリーマン経営者となり、時代がアナログからデジタルに移行、インターネットが世に登場する時代、「デジタル・ドリーム・キッズ」を標榜し各種改革に着手されましたが難しい舵取りをされることになり2005年に退任されました。その後「クオンタムリーブ」(量子力学の世界で非連続の飛躍という意味だそうです)を創業し、お亡くなりになる84歳まで現役ビジネスマンとして活躍されました。3月に「人生の経営」を上梓したばかりで「会社にも定年にもしばられない生き方」を唱えられていました。まだ読んでいなかったので、早速Kindolのライブラリーに入れました。私も出井さんを見習って、生涯現役ビジネスマンとして努力し続けていきたいと思います。出井さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
|